3/07/2015

リスクフリーの信用リスク


仕事もひと段落してのログ。
つくづく思うんですが、有用な情報が無料で、無用な情報が有料の変な時代ですね。

早速有用な、

第240回 低金利時代のマネー運用を考える3つの視点


後者に関して補足しよう。株式と長期債を持つと、以下のような「傾向」が生じると期待される。

仮に、(A)不景気になった場合に企業の利益が圧迫されるから株式のリターンは不調(マイナスもあり得る)だが、長期金利が低下して長期債価格が上がる。他方、(B)好景気になった場合、長期金利が上昇して債券価格が下がり債券リターンは不利になるかも知れないが、企業収益が伸びて株式のリターンが高くなる。

つまり、株式と債券を組み合わせて持つ事で、お互いになにがしかリスクを打ち消し合うことが期待出来るのだ。


最近自分がしつこく債券に粘着していた事のまとめ的な感じですね。


債券を持つことの分散投資効果は、「これまで」と「これから」では異なると考えられる。漫然と同じアセット・アロケーションを持つべきではない。


そうそう、日本に限らずの話で、まさに今直面している問題。運用管理という意味でもコストが見合えば、アセット・アロケーションは常に流動的な変更が正しいわけですし、漫然はいけませんね。


「変動・10年型」の個人向け国債は、実質的には半年単位の短期運用であるが、元本保証であることに加えて、利回りが長期金利の上昇に対して約3分の2追随出来る、いい意味で「無難な」運用対象だ。

国債なので、銀行預金のように預金保険の範囲を気にする必要がない。さすがに財務省は、「銀行預金よりも安全です」とは宣伝しないが、信用リスク面での気遣いが不要であることは個人向け国債の大きな長所だ。


いつもためになる事を書いてくれる方なのですが、いいところでプロ側の意見 (太字の部分) っぽくなってしまっているのが残念です。あとコレは、揚げ足とりですが、


「長期金利の上昇に対して約3分の2追随出来る」
 ↓
「長期金利の上昇に対して約3分の2に劣後する」


とも言えるわけでして、「無難」とみるか「イマイチ」に見えるかと聞かれれば、イマイチと答えてしまうと思います。辛うじて、金利2回分のペナルティで逃げる事が出来るらしいので、まぁ余程の鈍感でなければ大丈夫でしょうけど。



ついでなので、その気遣い不要なリスクフリーの信用を確認するべく、ブルンバーグから現状の値を。

[JGB CDS 5年] [JGB CDS 10年]


これだけ見ても何にもわかりませんが、ニッセイ基礎研究所のデータに合わせて想定回収率は35%として、そこから効率的市場の価格形成を前提としたデフォルト率 は、


期間 日本 米国
(参考)
英国
(参考)
ドイツ
(参考)
5年 3.37% 1.15% 1.46% 1.22%
10年 10.94% 8.24% 5.95% 6.09%


うーん。引用文の通り銀行より安全なのはもちろん理解出来ますが、割とあるじゃないの的な印象です。


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3/03/2015

債券もお忘れなく §2

一昨年はBSとモンテカルロ、昨年はVolatilityとArch/Garch Modelsについて。そして、今年の学習は先ずは米国債という事で、またまた以前からの流れを汲んで。モチロンですが、我が国クジラの餌でもあるJGBも忘れていませんよ、虎視眈々とwwww

といっても近くどうこうしようと思っていないのですが、来るポジション改編時に役立つかもしれないテーマなので少し無駄に手を動かしてみました。

大枠として、
  • 株式
  • 債券
  • 不動産
  • ゴールド

など組入れる運用の想定で、データ集積がラクなETFを使って見てみます。まず相関関係

サンプルの期間的限界から8年程度~3年程度、ド楽観オンリー相場やお通夜相場のみなど6パターンから採った値をガラガラポンしての中央値。傾向としては、それほど相場で変わらないという印象でした。


残りの必要なパラメータは、

これも各パターンを考慮した中央値で。

ただし、VEU (米国外株式) やRWX (米国外リート) は過去リターンが劣悪過ぎるので、米国と同等に期待リターンを調整。ゴールドは寧ろ良すぎる気がするのと、自分が価値を理解していないので、主観により株式の期待リターンから5%差し引いて採用。

まぁまぁ納得出来そうな値だと思いますが、鉛筆舐めて決めるのは実に気持ち悪い。
そも何だよ期待リターンって、、超長期チャート眺めて悦がるCWI派みたいじゃねーのと思えたり。


戻って、制約はレバレッジと空売り、当然ですがリターン < リスクの関係を前提での最適化。

収束しきれない端数は、最大配分箇所より削減しています。

積極派は株式4割:長期債6割、消極派になるにつれ中期~短期債とリートが入ってきています。ゴールドと短期債 (含む、現金・MRF・MMF) は運用上不要なシロモノだとの結果ですね、鉛筆舐めていますから何とも言えませんが。

結果からどう利用するか?ETFやファンドは論外と思えるんですね。やはり、生債券でしょうか。


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2/25/2015

セクターETFの利用

NYで0℉とか凄いですねぇ。日本は黄砂が恐ろしいですが。

さて、特に意味もなくバンガード・インベストメンツ・ジャパンのGJに応えてww
下地となる考えに、マーケットキャップ (株式時価総額) 加重への丸投げ運用に対する疑問。平均の質という問題をセクターETFでどうにかなるかというアソビですね。


[ 関連エントリー ]
スマートベータとセクター
債券もお忘れなく
今後も有効?


先ずは、3期間での各セクター相関を抽出。
ほとんどのデータが無料で入る、非常に便利な時代に感謝しなければなりませんね。

[2005.02.22 - 2015.02.23 , 10年]


[2005.02.22 - 2012.02.23 , 7年]


[2005.02.22 - 2009.02.23 , 4年]

何故に2005年から?ですが、web上の過去ログを追えば世の運用者が楽観と慢心に満ちた時代。

そこからリーマンの4年、欧州ゴタゴタの7年、そして現在まで。悪い時期スッ飛ばして見るより今後役立つだろうの目論見で。2015年は、2005年の様な雰囲気を醸し出していますし、丁度良かろうと思う次第。



そこで、対象とする商品ですが、ここは広範に分散されていると謳われている、バンガード・トータル・ストック・マーケット (VTI) のヒストリカルデータを中心に利用してみます。

  • VTI 10年リスク = 20.4% , リターン = 8.1%
        7年リスク = 23.1% , リターン = 2.9%
        4年リスク = 24.2% , リターン = -3.8%


前提に問題ありそうですが、このVTI結果を正しいとしてλを出し、各セクターETFの10年 , 7年データからソルバーで最適化し、セクター再配分比率を求めてみました。

制約条件は、レバレッジと空売り無しにしています。

そして、4年を見ない理由は唯プラス収益が公益 (VPU) のみであって無意味なので。

ここにリート入れちゃっているのがどうかなと思いますが、概ね予想通りVTIはセクター偏りがキツイです。最適化するとVFHはゼロに (その代り、リートが入っているので金融セクターそのものがゼロではない)

興味深いのは、エネルギーとヘルスケア。おそらく循環に応じた保有率を心がけねばブレが大きくなってしまう気がしますね。やっぱりというか、素材・通信・公益はある程度保有が吉なのではないかと。


しかしここで終わってはアレなので。
リスクは過去をある程度利用してもいいかもしれませんが、リターンはNG。の教えより、リターンを全てのセクターで一定の期待リターンとし確認してみます。

生活必需品 (VDC) , ヘルスケア (VHT) , 公益 (VPU) を少しオーバーウエイト、残りはイコールウエイトで調整でOK?まぁなんというか、ありきたり出来レースみたいな結果ですねコレ。
(御利用はOwn Riskでお願いしますww)


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