2/10/2015

ハイリスクの分解も一興

いつも明快な文章で参考になるので、気が向いたときにまとめて読んでいます。(ホンネの投資教室)

そういいながら毎度斜めに見るようでアレですが、

アセットアロケーションを検討する


リスクの数字は10年から20年程度の過去データを元にして作られていて、リスク、相関係数ともやや保守的な方向に数字が丸められている。リスク値でいうと、国内株式が18%、外国株式が20%、外国債券が10%、国内債券は2%だ。相関係数は、国内債券と国内株式が0、国内株式と外国株式が0.7(かなり高めだ)、国内株式と外国債券が0.3、外国債券と外国株式は0.5、国内債券と外国債券は0.2、と想定されている(それ以外の相関は0)。分散投資のリスク削減効果に対して過大な期待をしていない点で、慎重なものだといえるだろう。


パラメータ次第で随分と景色が変わる事になります。「リターンは小さく、リスクは大きく」見込むとして、リーマン前のド楽観~昨年末で、19%強なので国内株式 (=Topix) が18%はやや甘い気がするのですが。


商品選択


国内株式はTOPIX連動型のETF(上場投資信託)がいい。前掲拙著では、資産規模と売買の活発さから、信託報酬(税抜きで0.11%)は僅かに最安でないが、野村アセットマネジメントが運用する「TOPIX連動型上場投資信託」(コード番号1306)を選んだ。このファンドでも、あるいは大和系の「ダイワ上場投信TOPIX」(1305)でもいいが、十分な資産残高と売買代金があって、信託報酬が0.088%(税抜き)で最安水準の、日興アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンドTOPIX」(1308)を選ぶことにする。


1にコスト、2にコスト、3,4が出来高、5にコストという事なので、これで仕方ないんでしょう。(日経平均とJPX400は実質アクティブなのでそもそも除外でしょうし)


--------

で、終わってもなので、ド素人なりにTopixはトピックスそのものが当然一番良いハズなのか無駄に一考。

先ず、カタマリを分解してリスクを抽出してみると、
(期間は、リーマン前のド楽観~昨年末)

ClassRisk

Core21.53%
Large20.62%
Mid17.96%
Small17.86%


リターンは目頭が熱くなるので伏せておきますが、日本の場合そこそこの期間、大きな企業がハイリスクで低リターンと経典通りではありません。何故そうなるのか?結構重要な気がします。

さて、これを基に考えますが、今後どうなのかViewはないのでリターン = ①抽出結果の通りと、②どれも等しく期待した場合の2パターンで、少なくとも全てのクラスを盛り込んだ形の最適化を。


Class
Weight
(Normal)
Weight
(Equal)
Mkt Cap
(Topix)
NoS
(Topix)

Core11%23%35%30
Large23%23%25%70
Mid29%26%30%402
Small36%28%10%1356


結果をみると、コア30を相当アンダーウエイトとの応答。リターンが全て等しいとしても12%はコア30を減らすがよろしとの事。それでもTopixの時価総額に占める割合から見ると、相当時価総額大きいところに集中していますね。

そこから、判断を持たず無意味に集中している気持ち悪さを感じるので、どうせハイリスクならばと近似的なイコール・ウエイトを構築してみると、

ClassWeight

Core2%
Large7%
Mid22%
Small73%


まぁまぁ凄いな。

これを用いて比較すると例えば、1億のリスク資産で国内株式 50%を占める時に、
  • Topixならば、

    トヨタを253万
    三菱UFJフィナンシャル・グループを127万
    ソフトバンクを91万
      ・
      ・
    Large組入れ銘柄は17万ぐらい?
    Mid組入れ銘柄は3万ぐらい?
    Small組入れ銘柄は3千以下ぐらい?



  • イコール・ウエイトもどきならば、

    トヨタを5万
    三菱UFJフィナンシャル・グループを2.5万
    ソフトバンクを1.8万
      ・
      ・
    Large組入れ銘柄は1~3万ぐらい?
    Mid組入れ銘柄は1~3万ぐらい?
    Small組入れ銘柄は1~3万ぐらい?

これでこそ、よく判らない物に銭を張る上での定石では?と思えたり。
だとして問題は、連動する商品がスプレッド含め、廉価なコストで普通に構築出来る状態かどうか。


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2/09/2015

やるね、バンガード。さよなら、VT

ついにきましたね。

50本の米国籍バンガードETF™の新規取扱いを開始 ~ETF取扱い本数は計67本に~ | バンガード


2015年2月9日(東京)―世界最大級の投信会社ザ・バンガード・グループ・インクが運用し、NYSE アーカ取引所、およびNASDAQに上場する50本の米国籍ETFが、近日中に株式会社SBI証券、マネックス証券株式会社、楽天証券株式会社(50音順)等の各証券会社を通じて日本の個人投資家向けに販売が開始されます。


こうなるとMSCIコクサイなんぞ、旧石器時代のクールな運用先と言われそうですね。

個人的には、SBIの特定口座で環境が整うので (1,2年内にはそうなってほしい)、2013年からひたすらドルをドルコストしている分が、次の買い場で役立ちそうでなにより。


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2/06/2015

理想と現実

手前のエエ加減なブログは兎も角、自分は定量的なブログをよく見に行きます。反対に変わった一家言を放つブログも何故か少し好む傾向があるようで、時々Webを巡回しています。

そんな中で、

株主還元は配当よりも自社株買いをするべき | サラリーマンが世界経済インデックスファンドに投資するブログ

株主還元を強化するため、増配を行うということがあります。
しかし、本当に株主還元を重視するのであれば、
配当金を増やすよりも自社株買いを行うべきだと思います。

~中略~

配当金を受け取るということは、その税金分のコストを支払っていることと同じです。
個別株だからノーコストで保有できる、という考え方は間違っていると思います。

~中略~

高い配当利回りは、喜ばしいことではありません。


税一点にフォーカスしているとして、主張は理解出来るようなそうでないような。国外株式など2重課税回避不可な仕組みを利用し、取り返せないロスを考えれば尚更言いたくもなるか。

ただ、その望まれている事とは裏腹、長期間、規律ある連続増配を行う企業は見かけても、長期間、配当を出さず規律ある自社株買いによる株主価値の向上をケイゾクしている企業を自分は知りません。知らないのは情弱なダケかもしれませんが。

ふと考えるに、そのような株主価値を創出する完全なる集合体が出来上がるには、
  1. 情報の効率性が担保され
  2. 全ての投資家が合理性のある振る舞いで
  3. 全ての企業が合理的な判断で行動する場合

という、非常に高度な条件がクリアされた世界であれば可能かもと思えたり。下手な買収 (所謂無駄遣い) をする経営者や、指数に堂々組み込まれている株券印刷業セクターが直ぐに排除されるような世界?

今のところ、辛うじて1. は (炭酸天国の日本ではなく米国では) それに近いところまで来ているのかも??ですが、2. 3. は未来永劫の宿題みたいにも思える。そうなる前に運用期間が終わりそうなので、実状に合わせてでも読んで目から鱗を4、5枚落としてみるのも手ではなかろうかと。

しかし、上の箇条書きを見るとポスト・ユートピア的ですね、修羅の国みたいな。出来れば自分は、アルトリアなど配当企業に囲まれてアルケイディアに行きたいところです。


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2/04/2015

界隈の怪とETF

前提としてリターンは不可知、コストと銘柄分散が評価である場合に例えば、

  • VT , コスト 0.18% , 銘柄数 6,943 (指数 = 7,571)
     ↘
    VTI , コスト 0.05% , 銘柄数 3,796 (指数 = 3,805)
    VXUS , コスト 0.14% , 銘柄数 5,807 (指数 = 5,579)

サイトに挙がってるから買えるのかどうかは別の問題として、前提に沿った場合VTを推奨する理由は全くありませんし、褒められてお喜びもどうかと。本当はもっと分散出来て経費率下げれまっせ、それを言うのが壇上でのお仕事じゃありませんかね?



さて話を戻して。



  • KXI , コスト 0.48% , 銘柄数 99
     ↘
    VDC , コスト 0.12% , 銘柄数 100
    IPS , コスト 0.40% , 銘柄数 168


    番外
    XWSD , コスト 0.45% , Swap

VTの件もそうですが、ひと手間半額は業界の常識なんでしょうか?
それでも、もうKXIでいいよと思えるならば、XWSDで全ての手間を省いて気絶が良さげな気がする。


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2/01/2015

スマートベータとセクター

退屈しのぎにひとつ。

例えば、単純なPBRからのバリューとか、イコールウエイトがスマートかどうかは良いとして、敢えて (ベータと比べて) 高いFeeを払う価値があるのかどうか。ベータ (S&P500) より高いリスクで低いリターンの場合、価値なしといえるでしょう。


下のグラフY軸は分配金再投資でのトータルリターンからの年率、X軸はリスクです。

[2007.02.23 - 2015.01.31]



近年商品化した低ボラや最小ボラなどは、更に短い期間の結果になる都合上入れていません。それでもたかが8年弱の中期運用、そんな期間でリスクも何もわからないと言われればその通り。ですが、もしS&P500を選ぶのなら、比較ローリスクのVIGか、ハイリスクのRSPを選びたいところ。

余談、自分にはもう何年も前に色々と保有していた黒歴史があります.......ww



もう少し長い期間、15年の中長期運用から米国セクター別で見てみると、

[2000.01.03 - 2015.01.31]



USMVやSPLVなどでも金融セクターがまぁまぁのシェアを占めていますが、中長期のリスクでは決して安定感はありませんね。



なんぼUSが世界の中心とはいえ、グローバルで見ないのもアレなので期間は短いですが、

[2008.03.26 - 2015.01.31]



書くまでも無く。Consumer StaplesとHealthcare、あとはスパイスを好きに組み込むだけでリスクを下げつつ、期待リターンをほんのり上げても差し支えない仕上がりになりそう。あくまで相対的な意味ですが。


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1/12/2015

総和 ≠ 羅針盤

オープニング・ベルまで少し暇なので、前々から気になっていた事でも書こうかと思います。それは、長期 (超長期) 買い持ち運用での値幅獲りを実践されているブログで、時折記事になるVIXについて。

検索すると、古くはVIX短先ETFの1552がコクナイで買えるようになった頃がピークで内容は、先物の特性についての一部をクローズアップしているだけが殆ど。肝心のVIXについての説明は皆無ですね。

相場環境も凪となり随分と注目も減りましたが、未だチラホラ取上げられていたりします。

ただ最近は、商品の事ではなくVIX指数そのものを見て、相場動向の先を読むような解説?的エントリーが多いですね。20を越えたら買いのタイミング的に云々等々。中身が良く判らない (様な雰囲気を持っていらっしゃる) 方が、VIX = σ30 に何を期待 (参考) しているのか、読んでも理解出来ないのはここだけの話。

自分が思うに、そもそも長期買い持ちの買い場なんて、余程の限界集落で外部からの情報を得ない生活でもしていない限り、イヤと云うほどわかるとハズなんですけど......

------------

と、まいど脱線気味ですが、せっかく書き始めたついでに、世界中の参加者が出したプライシングの結果 (=VIX指数) を、たまには手を動かして出してみようと思います。

The CBOE Volatility Index - VIX®
Variance = σ 2 = 2 T i Δ K i K 2 i e rT Q K i - 1 T F K 0 -1 2

T:満期までの時間 (365日計算)
F:オプションマーケットが示唆するフォワード
K0:フォワード以下の最初の行使価格 (= At The Forward)
Ki:i番目のOTMのオプションの行使価格 (Ki > K0 はCall、Ki < K0 はPut)
⊿Ki:行使価格の間隔 ⊿Ki = (Ki+1 - Ki-1) / 2
r:リスクフリー金利
Q(Ki)

:

行使価格Ki のOTMのオプションMid値
Ki > K0 はC(Ki)、Ki < K0 はP(Ki)、K0 は (C(K0) - P(K0)) /2



VIX = 100 × T 1 σ 2 1 N T2 - N T30 N T2 - N T1 + T 2 σ 2 2 N T30 - N T1 N T2 - N T1 N 365 N 30



兎角ザツな性格で、Mid値の拾い出しが甘かったり、期間の扱いを日で丸めたりで、ええ加減過ぎるデータなのが毎度ながらいただけませんなぁ。。一応補足、上pdfのヘッダー左が第1限月で、右が第2限月です。

で、一体何が言いたいねん、との事ですが、、、


あれこれと考えて書くより、すぐそこに回答がありました。

VIXや日経VIは恐怖指数? | 九条清隆 相場観と金融工学

さて、こうして計算されたVIXや日経VIがどういう意味を持つかということです。

オプション市場の複雑な需給構造をたった一つの数字に集約して表現しているということです。

裁定残高や
信用残高に似たような性質の指標です。

この数字の絶対水準をたまに見ただけでは、多くを語ることはできません。

ひとつの数字に集約される前の、オプション市場全体の需給構造や、 過去からの相対的な比較や動きの癖などを理解してないとトンチンカンなことになってしまいます。



流石、オプションの先駆者たる的確さに頭が下がります。恐怖指数?ナニソレおいしいの?ぐらいしか思いつかない自分とは雲泥の差です。


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1/03/2015

御犬様 (2015 Dogs of the Dow)

今年もログしておきます。

2015 Dogs of the Dow


[ 2001年以降の御犬様一覧 ]

N/Y 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
1 MO EK MO MO SBC GM PFE C BAC T T T T T T
2 EK MO JPM SBC GM T VZ PFE GE VZ VZ VZ VZ VZ VZ
3 GM GM GM T MO VZ MO GM PFE DD PFE MRK INTC MRK CVX
4 DD JPM EK GM MRK MRK T MO DD KFT MRK GE MRK INTC MCD
5 CAT DD SBC JPM VZ MO C VZ AA MRK KFT PFE PFE PFE PFE
6 JPM CAT DD MRK JPM PFE MRK T T CVX JNJ DD DD MCD GE
7 IP SBC HON DD C C GM DD VZ PFE INTC JNJ HPQ CVX MRK
8 SBC IP GE C DD DD DD JPM MRK MCD DD INTC GE GE CAT
9 XOM MRK CAT GE PFE JPM GE GE JPM HD MCD PG MCD CSCO XOM
10 MMM XOM T XOM GE GE JPM HD KFT BA CVX KFT JNJ MSFT KO

AT&TとVerizon Communicationsが不動のワンツー。個人的には製薬を欲しているので、PfizerとMerckが注目企業になりますね。



ものはついでに、ダウ平均 vs 御犬様連合で比較すると、

[2014.01.01 - 2014.12.31] [2010.01.01 - 2014.12.31]
補足としてDOD (ELEMENTSSM "Dogs of the Dow" Linked to the Dow Jones High Yield Select 10 Total Return IndexSM) はETNで無配、^DJIは配当考慮していないグラフです。^DJI = SPDRのDIAとして分配金を考慮すると、

  • 2014.01.01 - 2014.12.31では、DIA = 10.7% vs DOD = 11.18%
  • 2010.01.01 - 2014.12.31では、DIA = 89.9% vs DOD = 122.53%

となりますので、実際のリターン差はもう少し縮まりますが、まずまず悪くないと思えますね。

ただし、投機商品利用の悲しい性として、お高いFee分以上は確実に劣ります。自前で組める環境 (手数料・課税条件) であれば、そこそこ使える戦略と言えそうです。