4/26/2014

エマージングマーケットをロングタームロングプットでショートポジなスタンス

月初に怪しい相場観から、EEM (iShares MSCI Emerging Markets ETF) をLEAPS (Long-term Equity AnticiPation Securities) OptionのDeep In the MoneyなPutをHoldしているわけですが。


無意味な言葉を簡単にすると、EEMの空売り効果です。

  • EEM Jan.15 2016 Put 55 Long @15.20

年内に1枚あたり5㌦ (500㌦) 程度は期待していますがサテ?



ついでの話で、

そのEEMですが、現時点 (残存日数 630日)は本源的価値が14.16㌦、時間価値が1.49㌦になります。 

満期の2016年1月15日まで、値が動かず、金利と配当利回りも変わらず、ボラティリティも変わらない (現実には無い) 時に、時間価値の減衰は、

プレミアムのほとんどが本源的価値なので、アンフェイバーに行かない限りは使い道がありそうです。


では、ATMはどうか。ストライクプライスが40㌦のプットをロングした場合 (条件は上と同じで)

本来4.8㌦程度のプレミアムですが、スタート値の見た目を揃える為3.27倍しています。当然、満期時は本源的価値を有していないのでゼロとなります。

残存630日で建てたプレミアムが半値になるまで420日掛かり、そこから満期に近づくに従い、オプション買い方にとって時間の向かい風が徐々にキツくなり、30日を切るとそれがより顕著に。

裏返すとオプション売り方は、長くても2ヶ月程度までの限月物をトレードすると一番恩恵 (時間の追い風) が受けれるワケですな。


4/16/2014

小さきもの (それでいてホットでないもの)

駆け出しの頃に読んだ (主に株式にまつわる) 本からの理解で、
  1. 分散する
  2. 市場平均は偏っており、運用に使う場合はあくまで一部で
  3. 長期では小型株で且つ、割安株が良い
そこから、3. を一応考慮した商品を意識して組み入れているわけです。保有分からDGS (新興国) を追い出した事もあり、徐々にウェイトは下がっていますが。


長期で良いと言っても、長期とはどの程度なのか。100年?

当方は先の書籍達の中で、Robert Haugen R.I.P. (1942-2013)  が書いていた10年の倍で20年と都合良く解釈しています。それに加えて以下のデータから10年ではグロースに負け。

[2004-2014][2005-2014]

[2006-2014][2007-2014]

[2008-2014][2009-2014]

[2010-2014][2011-2014]

[2012-2014][2013-2014]

ここのところ成長期待の高いヘルスケア (バイオ) が多めのVBKがマズイ方向に行っているので、バリュー株のリスク / リターンが良く見えていますが、この先10年でVBRがグロースを圧倒する程の差を生むのか?

一度しかない運用期間で、ダイヤモンド・ヘッドに辿り着くかは五分五分でしょう。



少し角度を変えて、株式投資の事。

自分のポートフォリオに占める銘柄は、Mega ~ Largeの時価総額に固めています。それはそれで考えがあってこうなっていますが、1つ2つMid以下の銘柄もスパイスに良いのでは?と。

アノマリーの利用という意味では、いわずとも時価総額が小さい = Small Firm Effect、アナリスト調査等注目されにくい = Neglected Firm Effectは半自動的に達成しています。

そこから狙うところ、、相対的3低レシオとバリュエーションが良く、株主に継続してキャッシュを見せる事が出来て(有配 + 増配意欲)、更には業界で楔が効いてそうな企業。そして、も一つわがまま言うと、何やっているかわかりやすいと尚良し。


そんな条件を全て網羅しているとは言えませんが、最も気になる企業。
Textainer Group Holdings (NYSE : TGH)です。



まぁ、バリュー株らしい内容。詳らかにしてもしょうがないので、気になっているって事で。



ちなみに、どのような商品が銘柄を組み込んでいるのか、馴染みのある物だけ取り上げてみると、
  • PowerShares International Dividend Achievers Portfolio
  • Vanguard Small Cap
  • Vanguard Total Stock Market
  • DFA US Small Cap I
  • Vanguard Small Cap Value
  • PowerShares KBW High Dividend Yield Financial Portfolio
  • iShares Russell 2000 Value
スモール系に入っているのは当然として、PowerSharesは意外。

先ず、PIDでは上から4番目のウェイトです (ただ上位3つはLPだったり)
もう一つのKBWDは、Financial Services 54.64% , REIT 43.08% , Industrials 2.28% ← TGH と、意外より不思議。



ついでに、視覚で大きさなど。

ナンカこういった企業を見ると、探し物をしているみたいで楽しいっちゃ楽しい。


4/14/2014

手札あれこれ

退屈しのぎのおアソビです。

金融派生商品を使った運用で、その目的がトレースなマニアを除く普通の資産運用は、市場平均や代表的指数と比べて同じリターンを得るなら、リスクが低い方が良い。同じリスクの可能性があるなら、その逆。

ポジションや手法の選択が自由な個人で、出来るだけ合理性のある運用。そのひとつにオプションの利用があり、時間コストも含めた場合の有力候補はLDSでしょう。否、だと思います。

LDS = Leaps Diagonal Spread
簡単に、満期日・行使価格の違う銘柄の組み合わせで、オプション買いは9ヶ月以上先の満期日でDeepITMを使い、期近のATM~OTMを売る。



ここで一つ、机上のLDS運用をしてみます。

  • 期限は、来年1月4日までの300日運用 (逆算で3月10日運用開始)
  • 原資産はラッセル2000インデックス連動商品 (IWM)
  • 持っている相場観として、期限の300日後にIWMの価額が2.77%上昇している
  • フィーなどは除外

こんな感じで仮定、下図はイメージ。
何でこの%かというと、分配除いても経済成長率と同等の上昇は期待出来るでしょうとのいい加減な設定で、特に根拠も何もありません。

上表、日付の下に記載のIVは現状に近い値としています。出口期限のIVを低く設定していますが、現状ATMに近い値で。
IV = Implied Volatility
現実のオプション市場でついたオプション価格から逆算されたボラティリティをインプライド・ボラティリティという。
要するに、設定は概ね現実に近い、ありえそうな値を用いつつ、下の比較用に都合よく収斂させた結果がこうだっただけともいいます。




ベンチマークはIWM1枚(100口) を300日間買い持ち。

オプションの条件は、

  • 2年弱先の2016年1月15日満期、ストライクプライス94㌦、ディープインザマネーのコール買い
  • 期近オプションのプレミアムが1㌦のコール売り⇒失効⇒売建を毎月繰り返す
  • オプションのプレミアムは、開始時IV23%、終了時18%とし2項ツリー(300項)で算出
  • パラメータとして、日数は365日計算、金利は現状の米国2年債、分配は1.25%
  • 300日後にオプション買いを転売


【ケース1】
バイ・アンド・ホールド1枚に対しLDSを1セットで、思惑通りの結果 (価額上昇2.77%) だった場合。

売却時122.28㌦、IV18%とする事で、オプション買いが買値で売れる様になってあるので、LDSの儲けはコール売りのみです。分配は面倒なので1.5㌦としました。

晒した額でみても、悪くないですね。 

それならば、同じ金額を拠出したらボロ儲けやん?と鼻の下を伸ばしてみると、


【ケース2】
バイ・アンド・ホールド1枚分11,899㌦に近い金額までLDSのセット数を増やし、思惑通りの結果 (価額上昇2.77%) だった場合。
コレを見ると、ボラティリティが高いインデックス連動商品で玄孫の代までバイ・アンド・ドリップ貫徹し、複利の魔法で儲けると確信している神を除けば、短期での利益確定に一考の余地はある気がします。 




なんて、都合良く相場観通りに行く事はないので悪いケースも並べます。


【ケース3】
バイ・アンド・ホールド1枚に対しLDSを1セットで、思惑通りに行かず結果、オプション買いの94㌦まで下落した場合。
投下資本率でみるか、同じリスク対象としてみるかで変わりますが、悪くないと思いますね。 


【ケース4】
バイ・アンド・ホールド1枚分11,899㌦に近い金額までLDSのセット数を増やし、思惑通りに行かず結果、オプション買いの94㌦まで下落した場合。
 
【ケース2】で相場観を当てた場合、【ケース4】で大きく外した場合を見比べてみると、リスク選好度合いによっては選択可能な範囲に思えます。



では、相場観が大外れし300日後94㌦になったとして、バイ・アンド・ホールドと同額の損失を許容する場合はどの程度になるのか?

答えはLDS2セットです(絵は無し)


そこから300日後の来年1月4日時点で、IWMの価額が122.28㌦ ~ 94㌦の範囲において、

  1. B&Hより負け額を減らして、B&Hより少し儲けたければ、LDS1セット
  2. B&Hより負け額が同等、B&Hより儲けたければ、LDS2セット
  3. B&Hより負け額が最悪倍上回るが、B&Hよりそれに見合う分儲けたければ、LDS4セット

マイナス域に入ってしまえば、B&Hよりマシなダケで儲かっているとは言い難いですがww
ついで、余剰キャッシュは、安全性の高い短期債券等に置けば、更にリスク / リターンが良くなるハズ。


その損益を一覧にすると、



グラフは机上なので、毎回コール売りで必ず1㌦のプレミアムを獲れるのか?といったマイナス要素、予想変動率であるIVがどっちになっているか?といったプラスマイナスの要素があります。損益の傾きが1であるIWM-B&Hは変わりません。

無理矢理まとめると、バイ・アンド・ホールドが運用の最適解とするならば、一部だけでもオプションを利用し採りたいリスクの範囲を自分で決めつつ、相対的な超過収益の可能性を高めるのもいい気がします。

ただ、マージン・アカウントが生理的に嫌な人もいるので、そういった人はカバード・コール ⇔ キャッシュ・セキュアード・プットの往復が最適になるでしょうね。


4/10/2014

どう使いましょう

CBOEからのメールで知りました。



ただ、VIXを除けば後発のボラ系は流動性があるのか微妙すぎですので、コレはどうなるでしょうね。



何と言いますか、HV180%とかモリモリ。
思いつくのはインデックスの狙い通りにイベント時、相場の反応が大きそうな場合にSPXの売りと絡めてシンセティックとかLSとか。

兼業の相場に張り付かない場合、長期債のインカムを再利用した掛け捨て保険 (Black Swan Protection) 的な使い方や、仕掛ける仕組み、アイデア次第で面白いポジションが作れそうな気がします。

こういった情報を知るたびに思うのですが、日本も金融先進国のハズ。。。。?
売買手数料の一点を除けば、投資は無論の事、投機環境も含めてサッパリですからねぇ。


3/21/2014

無意味か有意義か

ドッサリ溜まっていたメールの処理をしていてフト。


長期運用先として株式を持つ場合、ジム・クレーマーの教え (ホームワーク : 1銘柄につき週1時間費やす) を着実にこなす事が最良なのでしょうが、実際のところ非常に難しい。

特に、保有分の企業がノンビリ系である場合、週5~10分と四半期毎にシッカリで十分と思えたりします。週5~10分はSeeking Alphaのポストを読むだけがメインですがwwwww


もっとパッシブな向きであれば年1回。とくれば、このシーズン、


心配の少ない企業なんかは、メールに送られてくる順にホームワークをこなして議決権行使。これで来年まで放置するのもアリ。

丁度、コカ・コーラ (既に売却済みw) 、キンバリー・クラーク、ジョンソン&ジョンソン、トランスカナダが届いていたので、一通りの作業を行っておきました。今回、コーラ以外はパラパラっとですが。


株主といっても日本株の様に、お土産目的での総会出席というワケにも行かず。そして、小口故に意味無いし面倒なので処理を無視される方は多そうです。

そんな手間も上の流れワークすると、状態のチェックも兼ねるので一石二鳥。


まぁ、ホームワークは運用上必須として、行使なんて只のジコマンみたいなもんです。そもそも、セカンダリーマーケットの抜き差しを投資とはオカシナ発想。

それでも、株式投資 (売買) = 議決権の保有 (受渡) が出来る事で辛うじて投資性を帯び、該当する運用を株式投資と云える気がします。金融商品を使うと、売買に伴う価値はお金の得喪のみになり、それを投機と呼ぶと思っています。その是非は兎も角。



と、長々書きましたが、さて本題。(えっ?

3/17/2014

Leaps Diagonal Spreadを考える

あらためてノーポジになっているオプションについて。

資金を大幅に引き出したことで、キャッシュに以前の様な余裕が無い。ついでに時間も圧縮したい、それでいて効率良くと我侭放題をどうポジに落とし込めるか思案しています。

原点と言うべきターゲット・バイ (セル) の問題点は潤沢な資金。流動性のある現物決済の代表的ETF、SPYで1枚18,500㌦程度で低IVの現在、ATMに近いOTMを売って1%のプレミアム。自分が好むIWMで1枚11,800㌦程度でSPYより少し高いIVからプレミアムは1.2%くらい。

一方、LDS (Leaps diagonal spread)でロングアームのデルタ0.75~0.8位とすると、残存日数672日のSPY SP145で4,186㌦、IWM SP93で2,723㌦。ざっくり¼ 以下の御予算で実行可能。


おさらいすると、
  • 原資産のBuy&Holdより、BuyWriteが低リスクにしつつリターン改善
  • 現物とLeaps Deep ITMの買いポジションの役割はほぼ同等
  • 同じ予算でBuyWriteよりLDSは4倍程度張る事が可能


大体同じ予算 (現物買い1枚) で仕掛けた場合はこの様に。LDSのコントラクトは4です。

[100Buy , Apr.11 119 Short Call]



[Jan 2016 93 Long Call , Apr.11 119 Short Call]

デルタしか持たない原資産に対しロングアームは、IVが良くも悪くも作用します。ただ、暴落にはIV高が予想される事から、LDSの方が強いですね。当たり前ですが、絶対額はBuyWriteより大きいので油断禁物。


ついでに意味合いは薄いと言われていますが、Greeksも。

【BuyWrite】 Contract δ γ κ θ
IWM Buy  100 100 - - -
IWM APR 11 '14 119 Call  -1 37.8 -6.55 -12.14 4.64
Total  62.2 -6.55 -12.14 4.64


【Leaps Diagonal Spread】 Contract δ γ κ θ
IWM JAN 15 '16 93 Call  4 311.7 2.97 172.31 -3.94
IWM APR 11 '14 119 Call  -4 -151.3 -26.22 -48.57 18.57
Total  160.4 -23.25 123.74 14.63


平和な世界であればガンマショートのLDSだろうが、ガンマ+ベガショートのBuyWriteだろうが問題ありません。しかし、そう上手く凪で推移する事を祈るのも考えものです。


ここで一考。

売りにくい低IV時にLDSを使いながら、BuyWriteよりリスクを抑えてリターンの質を向上出来ないか?それが出来れば淡々と繰り返して、

Risk・・・B&H BuyWrite LDS
Return・・・B&H BuyWrite LDS

こんな理想の形が出来るかも?
 
その手立ては単純ですが、プットを適当にあてるだけです。仮に期近ATMと期先Far OTMで見てみると、

【LDS Married Put】 Contract δ γ κ θ
IWM JAN 15 '16 93 Call  4 311.7 2.97 172.31 -3.94
IWM APR 11 '14 119 Call  -4 -151.3 -26.22 -48.57 18.57
IWM APR 11 '14 117 Put  1 -48.9 6.32 12.47 -5.06
IWM APR 17 '14 110 Put  1 -18.9 3.18 9.49 -3.67
Total  92.6 -13.75 145.7 5.9


[LDS Married Put]
ダウンサイドが随分救われますね。これなら有る程度の覚悟さえすれば、満期前まで放置し甲斐もあります。もう少しあてるプットを計算すれば、より良いポジションが取れそう。

アソビの要素を排したトレードに注力する場合、低IV時はプット付きLDS、高IV時はプット無しLDSが最短作業時間で最良のパフォーマンスが望めそうなそうでないような。

LDSならばフィジカルでもキャッシュでも同じ事 (細かな歪みは現物決済の方によく出るでしょうけど)。すると指数の方が面倒なくて一番良いのですが、1枚が概ねETFの10枚に相当するので調整のしやすさからETFの方が使い勝手は良さげ。

ただEarly Exerciseには十分注意が必要でしょうね。若しくはLDSは指数で、調整用プット買いはETFで行く手もありですね。


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3/12/2014

妄想ポートフォリオ

配当株運用の敵は、壱に年貢・弐に減配・参、肆は無くて、禿電話 (註:TとVZ株主の場合) という、冗談のような本音はさておき。。

ちょっと古い話ですが、

◆ 配当への課税強化検討 政府税調、法人税下げの代替財源候補に | Nikkei Inc.

 政府税制調査会は法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当などにかかる税率の引き上げを検討する。法人税関連の政策減税の見直しだけでは減収分を補えないためだ。

バッジ付けたエキスパートかエスパー伊東か知りませんが、奪い易いところから掠め取ろうとする発想はナカナカ恐ろしいですね。では抗って、いっそソノ呪縛からサクッと逃れる術は無いかと考えたくなるのが人のサガというものでしょう。

手立てとして、
  1. 無配当株のみで組み直す
  2. 現物から無配商品に切り替える

1.は本末転倒の手段なので却下。まぁ、パネラブレッドとチェサピーク・エナジーとグーグルとか、真剣に探せば出来そうな気もスルが...

2.は?自分好みに近い物を探してみると、

Weight Ticker Funds / Companies Fee
20.0% XEQD  S&P 500® Equal Weight 0.30%
20.0% XWSD  MSCI World Consumer Staples 0.45%
15.0% XWHD  MSCI World Health Care 0.45%
15.0% XWED  MSCI World Energy 0.45%
10.0% BRK.B  Berkshire Hathaway Inc Class B -
2.5% XECS  MSCI EM Consumer Staples 0.65%
2.5% XMEH  MSCI EM Healthcare 0.65%
2.5% XMKE  MSCI EM Energy 0.65%
2.5% D5BL  MSCI Europe Value 0.40%
2.5% XXSC  MSCI Europe Small Cap 0.40%
2.5% XESC  Euro Stoxx 50® 0.00%
2.5% XDUK  FTSE 100 0.09%
2.5% XCAD  MSCI Canada 0.35%

生活必需品、ヘルスケア、エネルギーの3本柱に、米欧の小型寄せ・バリュー寄せ。ついでに欧州と北米の代表的指数、ダウの代替はバフェ爺を追加。んー、意外に悪くないです。

暗黒時代が本当に来るのなら真剣に考えなければなりませんね。