3/17/2014

Leaps Diagonal Spreadを考える

あらためてノーポジになっているオプションについて。

資金を大幅に引き出したことで、キャッシュに以前の様な余裕が無い。ついでに時間も圧縮したい、それでいて効率良くと我侭放題をどうポジに落とし込めるか思案しています。

原点と言うべきターゲット・バイ (セル) の問題点は潤沢な資金。流動性のある現物決済の代表的ETF、SPYで1枚18,500㌦程度で低IVの現在、ATMに近いOTMを売って1%のプレミアム。自分が好むIWMで1枚11,800㌦程度でSPYより少し高いIVからプレミアムは1.2%くらい。

一方、LDS (Leaps diagonal spread)でロングアームのデルタ0.75~0.8位とすると、残存日数672日のSPY SP145で4,186㌦、IWM SP93で2,723㌦。ざっくり¼ 以下の御予算で実行可能。


おさらいすると、
  • 原資産のBuy&Holdより、BuyWriteが低リスクにしつつリターン改善
  • 現物とLeaps Deep ITMの買いポジションの役割はほぼ同等
  • 同じ予算でBuyWriteよりLDSは4倍程度張る事が可能


大体同じ予算 (現物買い1枚) で仕掛けた場合はこの様に。LDSのコントラクトは4です。

[100Buy , Apr.11 119 Short Call]



[Jan 2016 93 Long Call , Apr.11 119 Short Call]

デルタしか持たない原資産に対しロングアームは、IVが良くも悪くも作用します。ただ、暴落にはIV高が予想される事から、LDSの方が強いですね。当たり前ですが、絶対額はBuyWriteより大きいので油断禁物。


ついでに意味合いは薄いと言われていますが、Greeksも。

【BuyWrite】 Contract δ γ κ θ
IWM Buy  100 100 - - -
IWM APR 11 '14 119 Call  -1 37.8 -6.55 -12.14 4.64
Total  62.2 -6.55 -12.14 4.64


【Leaps Diagonal Spread】 Contract δ γ κ θ
IWM JAN 15 '16 93 Call  4 311.7 2.97 172.31 -3.94
IWM APR 11 '14 119 Call  -4 -151.3 -26.22 -48.57 18.57
Total  160.4 -23.25 123.74 14.63


平和な世界であればガンマショートのLDSだろうが、ガンマ+ベガショートのBuyWriteだろうが問題ありません。しかし、そう上手く凪で推移する事を祈るのも考えものです。


ここで一考。

売りにくい低IV時にLDSを使いながら、BuyWriteよりリスクを抑えてリターンの質を向上出来ないか?それが出来れば淡々と繰り返して、

Risk・・・B&H BuyWrite LDS
Return・・・B&H BuyWrite LDS

こんな理想の形が出来るかも?
 
その手立ては単純ですが、プットを適当にあてるだけです。仮に期近ATMと期先Far OTMで見てみると、

【LDS Married Put】 Contract δ γ κ θ
IWM JAN 15 '16 93 Call  4 311.7 2.97 172.31 -3.94
IWM APR 11 '14 119 Call  -4 -151.3 -26.22 -48.57 18.57
IWM APR 11 '14 117 Put  1 -48.9 6.32 12.47 -5.06
IWM APR 17 '14 110 Put  1 -18.9 3.18 9.49 -3.67
Total  92.6 -13.75 145.7 5.9


[LDS Married Put]
ダウンサイドが随分救われますね。これなら有る程度の覚悟さえすれば、満期前まで放置し甲斐もあります。もう少しあてるプットを計算すれば、より良いポジションが取れそう。

アソビの要素を排したトレードに注力する場合、低IV時はプット付きLDS、高IV時はプット無しLDSが最短作業時間で最良のパフォーマンスが望めそうなそうでないような。

LDSならばフィジカルでもキャッシュでも同じ事 (細かな歪みは現物決済の方によく出るでしょうけど)。すると指数の方が面倒なくて一番良いのですが、1枚が概ねETFの10枚に相当するので調整のしやすさからETFの方が使い勝手は良さげ。

ただEarly Exerciseには十分注意が必要でしょうね。若しくはLDSは指数で、調整用プット買いはETFで行く手もありですね。


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3/12/2014

妄想ポートフォリオ

配当株運用の敵は、壱に年貢・弐に減配・参、肆は無くて、禿電話 (註:TとVZ株主の場合) という、冗談のような本音はさておき。。

ちょっと古い話ですが、

◆ 配当への課税強化検討 政府税調、法人税下げの代替財源候補に | Nikkei Inc.

 政府税制調査会は法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当などにかかる税率の引き上げを検討する。法人税関連の政策減税の見直しだけでは減収分を補えないためだ。

バッジ付けたエキスパートかエスパー伊東か知りませんが、奪い易いところから掠め取ろうとする発想はナカナカ恐ろしいですね。では抗って、いっそソノ呪縛からサクッと逃れる術は無いかと考えたくなるのが人のサガというものでしょう。

手立てとして、
  1. 無配当株のみで組み直す
  2. 現物から無配商品に切り替える

1.は本末転倒の手段なので却下。まぁ、パネラブレッドとチェサピーク・エナジーとグーグルとか、真剣に探せば出来そうな気もスルが...

2.は?自分好みに近い物を探してみると、

Weight Ticker Funds / Companies Fee
20.0% XEQD  S&P 500® Equal Weight 0.30%
20.0% XWSD  MSCI World Consumer Staples 0.45%
15.0% XWHD  MSCI World Health Care 0.45%
15.0% XWED  MSCI World Energy 0.45%
10.0% BRK.B  Berkshire Hathaway Inc Class B -
2.5% XECS  MSCI EM Consumer Staples 0.65%
2.5% XMEH  MSCI EM Healthcare 0.65%
2.5% XMKE  MSCI EM Energy 0.65%
2.5% D5BL  MSCI Europe Value 0.40%
2.5% XXSC  MSCI Europe Small Cap 0.40%
2.5% XESC  Euro Stoxx 50® 0.00%
2.5% XDUK  FTSE 100 0.09%
2.5% XCAD  MSCI Canada 0.35%

生活必需品、ヘルスケア、エネルギーの3本柱に、米欧の小型寄せ・バリュー寄せ。ついでに欧州と北米の代表的指数、ダウの代替はバフェ爺を追加。んー、意外に悪くないです。

暗黒時代が本当に来るのなら真剣に考えなければなりませんね。


2/16/2014

売却? or 保留?

似て非なる配当株投資と割安株投資。

ベストは、配当株を割安と思える水準で買って、配当金再投資で積み増ししながらゆっくりとフェアバリューに。その後、Eの上昇を享受しながら、定期的に起こるβが溶ける時に買い増し。

まぁ、そんなに上手く進みませんけどね。


その逆、あまりヨロシクない事は、
  1. 割安のつもりがクソ株化
  2. 利益成長以上に買い上げられる


1.は即処分として、2.は着眼点で感じ方が違います。割安株投資は割高まで買い上げられれば成功、売却で完了。

一方、配当株投資では、可能な限り長い期間妥当な (何が妥当かはアレですが) 水準で推移し、受取即再投資で保有数を増やす。時が来ればDRiP解除し受取りに切り替えるか、割安株投資の様な出口戦略になるのですが、2.は当面回避したいところ。


と来て、妙に買われていて気になるセクターの状況。

[ 製薬 ]


[ 資源 ]


直ぐどうこうではないのですが、今日は時間も取れたし、保有分で懸念されるアストラゼネカとシェルの資料を読んでおこうと思います。


2/11/2014

そして、リスク・パリティからリスクに漂着し、いつもの横道

前回に続いて。


散策していると良い絵があったので。(引用:Wall Street Journal)
本文は否定的。ま、資産に超余裕があり5mil出せる人はAQRIX、1milはAQRNXファンドでリスク・パリティ運用が可能です。銀行みたいに低金利で調達し、長期債をレバ掛けすれば簡単に出来そうですが、個人で複製は無理ですねぇ。と、いいつつヤル気もないですが。。。



ここで話し変わって債券の事。世界最強の債券で無双の金利水準、ソの名はJGB。

[ Short Put = Long JGB ] [ Long Put = Short JGB ]
(図の引用:Nassim N Taleb | Antifragility, Robustness, and Fragility inside the "Black Swan Domain"より)
※但し、引用元の内容と、今回の内容は直接関係はありません。

あるところまでBoJの裏技で抑制されていますが、フワっとどこかで元サヤ。こういうイメージなんですよね。きな臭い話の前、正常化で。

そういう意味、10y物が4%でおかしく無いと思う場合の行動はおのずと決まる。ただそうすると、日銀の目標デュレーションが7くらいなので、色々問題が噴出する事になる訳ですが。


一方、個人がファンドを通じずに買う場合は、個人向けうんにゃら国債がメインになります。もとい、なるようです。機関垂涎の仕組みで提供されていて滅茶苦茶お得、皆が大好き安心安全、政府による元本保証付きです。


そこで、チョット思いついた面白い戦略。

その優位性、デフォルト無しを逆手にとれば、リスクは金利変動のみとなります。用意されている変動10は常時劣後追随する損品なので×、最小金利0.05%にヘッジが有りますがここでは役に立たず用無しです。


その戦略は、
  1. 個人向け固定金利の長いほうを買う
    = 金利が騰がると負けで下がると勝ち

  2. 見込み利金で債券ショート
    = 金利が下がると負けで騰がると勝ち

ほら何となくヘッジ付きブルシンセとか、ロング・ストラドル的な香り。ショートの減価をその後の利金でカバーすると、固定5年物の4年勝負でmaximum loss = 0となり、どうも負けない気がするんですよねぇ....


2/08/2014

プット・コール・パリティからリスク・パリティ、そしてリスコンに流れついてナニコレ

出勤しても静かな環境になる土曜日。遅めの昼食がてらどうでもいいログ、古いネタを穿る。大体、長いタイトルの時は一段とロクでない内容ですw


御題のプット・コール・パリティはオプネタなので割愛し、リスク・パリティに移って暫し散策

Wikiの図から、株式・債券の2資産でレバレッジを掛けない場合、概ね株式14.3 : 債券85.7で基から6割弱サイズダウン版のリスク・パリティ・ポートフォリオとなるのかな?今一つ判っていませんが、また暇な時にでも調べてみよう。


して本題、今日一番目を惹いたのが、ETFでありながら「愛称:NISA向けリスコン5(10)」

リスコン?ケンとメリーみたいな?(注:生まれてません

 - 引用 -

 東証:リスクコントロール指標

  ~ 前略 ~

  • ダウンサイドリスクを抑えた長期投資

    TOPIXリスクコントロール指数は、過去データに基づくテストにおいてボラティリティが一定 範囲に抑制され、ダウンサイドリスクが低減されたことを実証しております。

    特に長期的な低リスク投資を目指す投資をサポートするベンチマークとなることを期待して おります。

  ~ 以下略 ~


なるほどなるほど。




何コノ横一列。

「ダウン・サイド・リスクはバッチリ抑えました。ついでにアップ・サイドも抑えときました」ですな。

というのか、仮に修正単純平均型 (N225) と時価総額加重型 (TOPIX) が長期でどっこいどっこいとすれば、リスクコントロールを考える以前、wrong choiceに他ならず問題なのは対象であって、発想そのものはアリだと思います。

まぁ、外部要因でガチャガチャ動くおもちゃに張る場合、提灯記事が踊り出す猿相場まで寝ていて、値嵩や高βのディープ・シクリカル銘柄に少々乗り遅れでも乗っかる。そして出口の利確を大きく誤らずに現金化して外野観戦。

それをヒタスラ機械的に実行すると、信託報酬払ってまでリスコン商品をわざわざ買ったり、絶対視されている長期B&H (下落時は塩漬け + 人によっては無限ナンピン、上昇時は高値追い銭)を初志貫徹するより、低リスク・高リターンになりそうな気もするのですが。。。。


戻って、「愛称:NISA向けリスコン5(10)」

そもNISAって物は、投資初心者(←嵌め込み表現っぽくてキライです) は消防署効果に引き寄せられ財布行き。一方、玄人衆はハイ・リターンを夢見て即効全ツッパが制度の肝なんではないのでしょうか。

そこに来てのリスコン、ニーズありますん?これが今日一番理解出来ていません。


1/21/2014

ゼロの魅力

昨年秋頃から特に理由はないですが、欧州に興味があります。

そうそうそうと、ADRやピンクシートでなくても直接買えばいい事を思い出し、TotalやEni、L'OrealやらLVMHとかユーロ圏企業を順々に見ていてフト。

そういったユーロ圏のデカい目なんだから、Euro Stoxx 50の構成銘柄に入っているはず。

とすれば、そのインデックスの組成に不満が無ければ、エクスペンス・レシオが0%のdb x-trackers物があったよねー、と。

先の企業群も含めて投資としては情報収集不足だったり、そこまでの興味を感じなかったり。圏

それでいて得喪のみで賭けたい、そんな時こそ役立つのが金融商品です。

DBXは多くがシンセ物のようですが、利用者がそこに拘る理由もないと思っています。対象になる商品を見ると、XESCXESXですが、中途の面倒もゼロで考えるとSCでしょうか。



差分はReinvestment効果?だとすれば、EXITまではナンもかもゼロで良いとこどり出来そうなんですけど。


1/11/2014

未だ先は長い (3)

よく冷えますねぇ....えべっさんに寄って、やっとの帰宅。CESは意外だったみたいですね。明日も仕事ですが、ポジション調整するかもでザラ場に参加しつつポスト。



して、与太話の最終回。

未だ先は長い (1)
未だ先は長い (2)

何がオイソレかと、
先ず、シンプルに株・債券 (預金) で、運用したとして仮定インフレ率に負けない配分をツールから拝借。

因みに、リスク/リターンと相関のパラメータはデフォルトです。

そこから、更に簡単として株式をベータ1本で代替し、43%をS&P500、57%を1%のリターンを出す無リスク円債 (預金)に配分。理屈ではコレでインフレ負けの心配もなく、夜もグッスリ眠れる想定。


で、終わるはずもなく、リターンの柱である株式を見ると、


[S&P500 1953-1968][S&P500 1998-2013]
抽出期間は古典や伝道師の所与、右肩黄金時代の一例が左です。
右は最近で、共にたった15年のネ動き。

左の様であれば、感覚的にリタイア可能と思えます。しかし近年の右図、1998年頃からのヒストリカルでブートストラップ回してみたりと、データをモテ遊んでみたその確率は.......萎えますwww


折角なので、確率の萎え萎え具合その条件は以下。
条件①
  • 年350万 (月29.16万) 取崩す内の43%をS&P500指数連動商品を毎月売却
  • 残りの取崩しは無リスクから
  • 手数料や年貢は考慮せず
条件②
  • リタイア年齢は40歳
  • 想定寿命は85歳
  • インフレ3%のうち、2%分 (1%は無リスクで吸収) を考慮したS&P500の期間リターン
  • リスク資産は6,020万 (1.4億の内43%)
  • 全期間を運用期間として
  • サンプル回数は10万回

その結果が下図

[S&P500 1953-1968][S&P500 1998-2013]
破綻しなかった場合の最終運用残高 9.4億強
累積破綻確率 0.47%
破綻しなかった場合の最終運用残高 914万強
累積破綻確率 79.8%

※グラフの線、シアン = 運用残高 (左軸) , マゼンタ = 累積破綻確率 (右軸) です。
(これはド素人のアソビゆえ誤りがあると思います。間違いを指摘頂けると幸いです。)


左の幸せな時代ですと、ほぼ破綻する事なくどんどん資産が増える罠。

一方、近年 (右) で考えると、「破綻しなければ」天寿全うまで大丈夫ですが、その前に古希から少しで50%破綻しています。勿論リスク資産部分のみがですが、これナカナカ厳しい結果ですね。

ベータでコレですので、劣化ベータで努々妄想すべきではありませんね。

::::::

そもそもリタイアするのにそんなに消費してたらアカンやろう。とか、イヤイヤそんな物価上昇 or ショボイ過ぎる運用リターンはありえんわ。と、いう意見はあると思います。あと、いくつまで生きるつもりなのか、ココ重要ですね。

今回のシミュレーション (仮称:仮想オッサンの未来予想図Ⅱ) は、既に社会保障は藻屑となっている前提。それも含め様々なパラメータをどう見るのか、一体どのデータを信頼してエイヤっとするのか?結局良く判りませんな。

まぁ、この仮想オッサンが安全側に立って考える場合、取崩しを減らす = 消費額を大幅に下げる。若しくはリタイアを遅らせて蓄財を増やす等、何らか手立てが必要でしょうね。 (おわり)