5/29/2015

AAの続き

忙し過ぎで近くのコール売って遠くのプットを買うマックジョブしか出来ない現実。。。は、さておき。

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トヨタが打ち出した「AA型種類株式」は買い得か | 山崎元のマルチスコープ


(1)発行価格は発行価格決定日の普通株式の株価の120%以上。
(2)配当は初年度から発行価格に対して年率0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、と上昇し、5年度目以降は2.5%。
(3)議決権付き。
(4)普通株式への1:1の転換権付き。
(5)発行価格での取得を会社に請求できる。
(6)残余財産の分配においては、一般債権者に劣後し、普通株主に優先する。
(7)譲渡に制限あり(相続とTOBへの応募を除く)。
(8)初回5000万株、3回目まで発行を予定(合計で総発行株数の5%未満)。


 さて、読者は、トヨタの「AA型種類株式」を魅力的な投資対象だと思われるだろうか。

 冒頭から引っかけ質問のようで恐縮だが、これは発行価格に大きく依存する。例えば、トヨタの普通株の株価が8000円のとき、一株当たり9600円でAA型種類株を買えるなら、これはかなり魅力的な投資対象だろう。しかし、一株3万円だと買うのを躊躇するだろう(注;共に現時点の筆者の個人的な意見です)。


氏の見解は本文を読んで頂くとして。

ここからは異なる角度と云う名の勝手気ままな無責任ド素人妄想でお送りします。


ざっくりと、、、
普通にトヨタ株を今買うと 8,700、
AAは想定1.2倍の値段を出して 10,440。


AA = 劣後債ロング + ヨーロピアン・コール・ロング

トヨタ = Topixみたいなものなので、どこかの教科書的に年率 5%が達成出来ると仮定した場合、トヨタ株を5年保有でのインカムとキャピタルの利益想定が2,405。一方、AAのインカムが783、差分は1,621。


その差分をAAのミソであるコール買いのコストとすると、、、

現値  8,700
行使 10,440
金利  0.1% (JGB 5年債)
期間  5
配当  2.34% (として)
価格  1,621

としたインプライド・ボラティリティは35%程度 (IV、t=365)。取り敢えず、トピックス = Toyotaという事でリスク 20% に2割5分上乗せで HV = 25%だとその差10%。。。コレ、ぼり過ぎじゃないの?

IV を HV +5% でプレミアム1,271ぐらい。を、妥当と見做した場合、350 (初回は5,000万株発行との事なので、175億円分のマボロシ) は誰かの架空のポッケにイン。

まぁ、上の与太計算は無視してww も、株式の占い方や金利の読み、債券の理解、非上場の流動性リスクをどう反映させるのか等々。これが適正かどうかを判断するために考慮すべき内容が盛り沢山ですね。


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4/29/2015

目が曇ってよくわからん

誰がトヨタとウィンウィンやて?

トヨタ:最大5000億円発行、初の種類株 ― 中長期保有の株主層開拓 (1) | Bloomberg


(ブルームバーグ):トヨタ自動車 は28日、譲渡制限が付いた種類株式を最大で5000億円発行することを決めた。株主総会での承認手続きを前提にして、非上場となる初の種類株を通じて中長期保有の株主層を開拓するのが狙い。

28日付資料によると、発行するのは第1回AA型種類株式(AA型はトヨタ初の乗用車の車名)。調達資金は燃料電池車(FCV)開発を含む研究開発費(R&D)に充てる。6月の総会後に決まる1株の発行価格は決定日の東証終値 の1.2倍以上として、株数は5000万株が上限。普通株の希薄化を避けるために同数程度の自己株式を取得する予定。

トヨタはR&Dが業績に寄与する期間と株主の投資期間がなるべく重なることが望ましいと判断、概ね5年後に普通株への転換や発行価格での買い取りが可能な種類株にした。配当年率は発行年度に0.5%として、1年ごとに0.5ポイント上昇する。普通株と同様に議決権は付いている。引受証券会社は野村証券。

SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、トヨタの種類株は一般的にはなじみのない方法で資本調達の多様化がメリットだと述べ「日本のトップ企業であるというポジションを考えれば、このような方法があるということを日本、産業界に示している部分で意義がある」と指摘した。

えーこのAA型誰得?このディールで野村證券が儲けるつもり、までしかワカラン。。。


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3/07/2015

リスクフリーの信用リスク


仕事もひと段落してのログ。
つくづく思うんですが、有用な情報が無料で、無用な情報が有料の変な時代ですね。

早速有用な、

第240回 低金利時代のマネー運用を考える3つの視点


後者に関して補足しよう。株式と長期債を持つと、以下のような「傾向」が生じると期待される。

仮に、(A)不景気になった場合に企業の利益が圧迫されるから株式のリターンは不調(マイナスもあり得る)だが、長期金利が低下して長期債価格が上がる。他方、(B)好景気になった場合、長期金利が上昇して債券価格が下がり債券リターンは不利になるかも知れないが、企業収益が伸びて株式のリターンが高くなる。

つまり、株式と債券を組み合わせて持つ事で、お互いになにがしかリスクを打ち消し合うことが期待出来るのだ。


最近自分がしつこく債券に粘着していた事のまとめ的な感じですね。


債券を持つことの分散投資効果は、「これまで」と「これから」では異なると考えられる。漫然と同じアセット・アロケーションを持つべきではない。


そうそう、日本に限らずの話で、まさに今直面している問題。運用管理という意味でもコストが見合えば、アセット・アロケーションは常に流動的な変更が正しいわけですし、漫然はいけませんね。


「変動・10年型」の個人向け国債は、実質的には半年単位の短期運用であるが、元本保証であることに加えて、利回りが長期金利の上昇に対して約3分の2追随出来る、いい意味で「無難な」運用対象だ。

国債なので、銀行預金のように預金保険の範囲を気にする必要がない。さすがに財務省は、「銀行預金よりも安全です」とは宣伝しないが、信用リスク面での気遣いが不要であることは個人向け国債の大きな長所だ。


いつもためになる事を書いてくれる方なのですが、いいところでプロ側の意見 (太字の部分) っぽくなってしまっているのが残念です。あとコレは、揚げ足とりですが、


「長期金利の上昇に対して約3分の2追随出来る」
 ↓
「長期金利の上昇に対して約3分の2に劣後する」


とも言えるわけでして、「無難」とみるか「イマイチ」に見えるかと聞かれれば、イマイチと答えてしまうと思います。辛うじて、金利2回分のペナルティで逃げる事が出来るらしいので、まぁ余程の鈍感でなければ大丈夫でしょうけど。



ついでなので、その気遣い不要なリスクフリーの信用を確認するべく、ブルンバーグから現状の値を。

[JGB CDS 5年] [JGB CDS 10年]


これだけ見ても何にもわかりませんが、ニッセイ基礎研究所のデータに合わせて想定回収率は35%として、そこから効率的市場の価格形成を前提としたデフォルト率 は、


期間 日本 米国
(参考)
英国
(参考)
ドイツ
(参考)
5年 3.37% 1.15% 1.46% 1.22%
10年 10.94% 8.24% 5.95% 6.09%


うーん。引用文の通り銀行より安全なのはもちろん理解出来ますが、割とあるじゃないの的な印象です。


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