11/30/2014

「市場」ではなく「企業」を買う株式投資 (3)

さらに続き。


第2章 高投資収益率企業の定量的特色 (菅原 周一 みずほ年金研究所 研究理事)

第1節 はじめに
第2節 上場企業の過去の投資収益率の大きさと銘柄の分布
第3節 高収益率企業の定量的特色
第4節 投資収益率分布から考える厳選投資の可能性
第5節 厳選投資の可能性と限界
第6節 まとめ



【第2節 上場企業の過去の投資収益率の大きさと銘柄の分布】
1989年12月29日 (大納会) の終値である日経平均3万8,915年87銭を最高値として、日本株式市場は低迷を続けている。 2012年12月の政権交代以降、株式市場は上昇トレンドに転じているが、それでも2013年1月末時点での日経平均株価は 1万2,397円91銭であり、最高値の3分の1以下の水準である。

~ 省略 ~

個々の企業をみると、この間、投資収益率がプラスであった銘柄も少なくない。たとえば、1989年12月末から2013年1月末 の投資収益率がプラスであった銘柄も数多く存在している

~ 省略 ~

対象となる銘柄は、1989年12月時点で上場されていて現在も存続する1,516銘柄であった。これらの銘柄のなかで、 1%以上の累積投資収益率を獲得できていた銘柄は156銘柄で、全体の10%強である。
バルブ崩壊以降からだと長いよねぇ。本書にグラフが出ていますがエグイ結果です。ついでに2000年以降と、2005年以降の投資収益率が高かった30銘柄のリストも出ていますが、等配分で保有していれば、年率換算18.9% , 20.4%と結構なパフォーマンス。

問題は、事前にこれらの銘柄を選び出せるのかということである。
Exactly so.


【第3節 高収益率企業の定量的特色】
高い投資収益率を獲得した企業の特長を確認するために、いくつか代表的な指標と 累積投資収益率の関係を確認する。指標については、いろいろなものが考えられるが、 まず、株式の価値を算出するうえで最も基本となる利益 (株主に帰属する利益である 当期利益に加えて、経常利益と営業利益についても検討) に着目し、株主の提供した 資本である自己資本とこの自己資本を元にして得ることができた利益の比率である ROE (株主資本利益率) を1つの指標として...........

~ 省略 ~

ROE変化幅を計算する際には、株主に帰属する利益を株主が提供した資本の大きさ (自己資本) で割る事が基本であるが、株主に帰属する利益を当期 (純) 利益と すると、一時的な特殊要因により大きく変動してしまう可能性があるので、当期純利益以外に 営業利益と経常利益を用いて分析した。営業利益や経常利益から直接株主に帰属 する利益と関連づけることはできず (たとえば同じ営業利益でも、財務レバレッジの 大きさで株主に帰属する利益の大きさは異なる)、全資本提供者が提供した総資本を 分母としたROAを使うことが考えられるが、本検討では自己資本に着目して、分析 を行っている3


3 増益幅を規模で基準化している。
この後、1989年12月末、1999年12月末、2004年12月末の3期間スタートし、2013年1月末までで以下の検証がなされています。
  1. ROEの変化幅の大きさで10分割した場合
  2. 時価総額の大きさで10分割した場合
  3. 自己資本比率の大きさで10分割した場合
  4. 簿価時価比率 (BP) の大きさで10分割した場合

して、結果のまとめは、
これまでに、代表的な指標として、ROE変化幅、規模、 財務レバレッジ、簿価時価比率を選定して、投資収益率との長期的な関係を確認した。 その結果、株式市場全体の動きと関係なく、プラスの投資収益率を獲得することが 出来そうな指標は、将来の利益をもとに計算 されるROE変化幅のみである。
Q: ど、ど、ど、どうすれば将来を計算できますん?
A: Use your noodle!


【第5節 厳選投資の可能性と限界】
一方、利益関連指標以外の指標として、MSCIバーラ社の日本株式リスクモデルで 採用されているリスクファクターが考えられる。このモデルで採用されている ファクターは、説明力が高く、広く利用されているものである。以下では、 このモデルで採用されているファクターのなかから、代表的な9つのファクター を使い、その後の投資収益率との関係を確認する。
よくプロのファンド関係者の話で登場するやつですね。結果は、
①ボラティリティ ・・・ 安定した関係はなさそうである。
②規模 ・・・ 安定した関係はなさそうである。
③モーメンタム ・・・ 安定した関係はなさそうである。
④売買活況度 ・・・ 明確な関係はなさそうである。
⑤株価相対企業価値 ・・・ 有効なファクターではなさそうである。*下記
⑥金利感応度 ・・・ 有効なファクターではなさそうである。
⑦企業成長度 ・・・ 明確な関係はなさそうである。
⑧財務レバレッジ ・・・ 明確な関係はなさそうである。
⑨海外経済感応度 ・・・ 明確な関係はなさそうである。

以上の結果から、バーラモデルで採用されている代表的なファクターを使い 、少数銘柄による厳選投資戦略に適用することはむずかしいことがわかる。 株価相対価値は最も機能する可能性をもっているが、第3節での分析結果と 比較すると見劣りする。
短期勝負のクロゼット・インデクサー・ファンドは脇に置いて、長期運用する上での答えとして、結局有効そうなのはROEの「変化幅」だという事で。これは重要な意味を持っていると思うんですね。どうやってソレを掴むのか、そこに帰着するわけですが。

ここで気になるのは、上がり済みというか、変化済みを選好し構成しそうなJPX日経400。いうならば、「NYに行きたいか」ならぬ、「JPX日経400に入りたいか」的に努力しそうな企業にフォーカスすると、5~7年タームぐらいで面白い結果がでそうな気がします。

400入りし、2年程度でEXITしていけば、長期とはいえなくても中期投資ぐらいでうま味がありそうなんですが、どうでしょうね。


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