11/23/2014

「市場」ではなく「企業」を買う株式投資 (2)

私事ではW8BENを無事処理し、あぷるーぶどされて一息。一方世間といえば、みことのりを最後まで聞けないとか、なかなか躾がなってませんな。ま、それはいいとして、前回に続き。



第1章 「市場」は買えるのか (川北 英隆 京都大学大学院経営管理研究部教授)

第1節 株価に見る日本と欧米の格差拡大
第2節 PBR1倍割れが生じる背景
第3節 大企業の資本効率性の低下
(1) 大企業の付加価値生産性の低下
(2) 連結決算にみる日本企業の海外進出と成功
(3) 平均的な日本企業は資本コスト割れ
第4節 経済成長の低下が企業間の格差を拡大させる
第5節 日本の株式への投資のあり方
(1) 日本の「株式市場」の位置づけと評価
(2) 事例 ― 日本の株式市場への投資
第6節 おわりに


この章全体では、過去評価できる本と少し角度が違いますが概ね再確認的な印象。


【第5節 - (1) - b 日本株への投資 ― 市場平均への投資か選別した投資か】
1つは、日本の場合、長期の視点から評価して、資本コスト以上の利益を稼いでいない企業が多すぎること、このため平均的な利益率水準の企業では資本コストに届かないことである。
自分の場合、僅かながら投資していた東証2部銘柄も全て閉じてしまったので日本は日経先,オプのみで日本市場の特性に合わせて参加していますが (そういえばJPX日経400の先物が始まりましたね)、過去日本株も視野に入れていたので、調べては時価総額が大きい (指数に大きく影響する) 企業にアカン奴が多く居座っていた事など、思い出しますな。
2つに、市場平均すなわち市場ポートフォリオに投資することが効率的だという理論 (代表的にはCAPM) の前提を思い出さないといけない。情報の効率性、投資家行動の合理性と並び、企業が合理的な (資本コスト以上のリターンの得られそうな) 投資しか実行しないと想定されている。日本の場合、この企業行動に関する前提が成立していない。このため、投資理論が成立するという保証が無く、市場を模倣する投資 (現実の市場におけるインデックス運用) が望ましいという前提が崩れてしまっている。
少なくともWeb上で発信している識者と信者の大半はCAPMの前提を否定しています。確かに日本企業の合理的行動が例えば米国籍企業に比べて劣後している事はその通りで、それは素地が悪く投資家行動が合理的でないからと思わなくもない。

思うに機関は所詮「他人の金」を転がす上で、ベンチマークをトレースするなり、近似ポートフォリオでα狙ったフリをする事によって悪かった場合の結果について免責出来、且つ来年もリスクの上澄みを得れるワケで彼等の合理性なのかなと。

そして、金額の寄与率では雀の涙レベルかもしれませんが個人は、ブログ等拝見すれば、「コスト」。その対比が上にあるようなトレースモドキでお高いFeeのアクティブ・ファンドだったり、日計りトレードの手数料や確定益による税繰り延べ効果の放棄、それと運用にまでに掛ける時間コストのゼロ化が主な理由のようですので全くステージが違う気がしますね。


【第6節 おわりに】
もう1つのインデックス運用の問題は、プロシクリカル性の観点からである。市場全体の水準を評価せず、インデックスを正確に模倣することだけに注力するから、インデックスが上もしくは下に行き過ぎたとしても、それを修正する力が働かない。むしろ、過去の投資収益率に基づいてアセットクラスごとの構成比を定めるのなら、インデックスのトレンドを増幅させかねない。この点は、新規資金が流入する場合に特に留意すべきだろう。
これこそ短期的なαの供給であり、教授の様に市場を俯瞰し一石を投じる立ち位置にない場合、ありがたい利益の源泉といえる問題でしょうね。


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